屋敷内の誰一人、手紙を廊下に置いた者はいない。それは直接的、間接的、意図的、偶発的、無意識的、全ての概念でよ。

24時の時点で、屋敷以外に存在するのは、ヱリカ、譲治、朱志香、真理亞、南條、郷田、熊沢のみである

なら、配膳車ではなく、廊下の天井に手紙を貼り付けてあったのかもしれません。廊下の天井は案外、高いから、堂々と貼り付けてあっても、誰にも気付かないかもしれない。これなら、廊下に落ちるのは確定的。そしてそれを、屋敷外の人物が行なったなら、赤も潜れる!

廊下天井に手紙が存在したことはなきなりや。

配膳車に手紙が触れたことはなきと知り給え。

屋敷以外の全員は、親族会議開始後、屋敷内にて何を行なうことも不可能なり。

屋敷以外の人物が、カセットテープなどでノック音を聞かせる仕掛けを施した

全ての人物は、ノック音を誤認することはない。

ノック音を誤認しない、ということはつまり。ノック音によく似た他の音を、ノック音と勘違いしたりはしない、ということよ。柱を叩くとノックに似た音がする、なんてのもアウト。ノック音をカセットテープに録音したとしても、それはもはや“ノック音を録音したテープの音”であって、ノック音ではない。だからこれもアウト!

つまり、実際にあの扉を叩いたノック音を、全員は正確に識別し、絶対に聞き間違えないということよ。あの扉を直接叩く以外のあらゆる音を、ノックと誤認することは絶対にありえないということ!!

扉をノックしてくれる何かの仕掛けとか。自動のドアノッカーみたいな仕掛けがあって、それによって手を触れずにノックすることが出来たとか。

ノックは、人が手で扉を叩くもの

そして、彼らは誰もノック音を誤認しない。蔵臼、夏妃、源次の3人はノックにかかわっていない。それ以外の人物は誰も屋敷内に存在もしていない。そしてノックは、直接扉の前に立ち、手で扉を叩く行為を指す。

あなたは中庭からハシゴを掛けて、3階の窓に留弗夫さんが上がるのを見ていた時。その外壁の構造をよく観察し、雨どいなどをうまく伝えば、3階の窓から中庭に下りることは不可能じゃないと気付いたんです・・・! あなたは飛び降りてなんかいない! 雨どいなどを伝い、みっともなく外壁を這い下りたんですッ!!

かっこつけて飛び降りたように見えたのは全て幻想! あんたはかっこつけて飛び出し、雨どいにしがみ付いただけなんです・・・!!

譲治、朱志香、真理亞、楼座、源次の死体は、誰が見ても、一目で死亡が確認できる

死んだフリなど絶対にありえぬ、誰もが一目で死亡を確認できる死体であるわ。

紗音にしか、秋が好きだと語ったことはない。

郷田にも熊沢にも、それぞれアリバイがない。二人はゲストハウスにおり、いつでもいとこ部屋へ至り、犯行を行なうことが出来た。それが否定できぬ限り、夏妃を犯人呼ばわりすることは出来ぬぞ。

つまり熊沢は、ゲストハウスへ戻って以降、朝まで2階に上がっていない。

つまり郷田は、ゲストハウスへ戻って以降、朝まで2階に上がっていない。

ゲストハウスには、24時の時点で、譲治、朱志香、真理亞は生存していて、2階のいとこ部屋にいた。南條、郷田、熊沢は一階にいた。

譲治、朱志香、真理亞、楼座、源次の5人はちゃんと死んでるわよ。

24時の時点で、屋敷の2階廊下には、夏妃と蔵臼、源次がいたわ。残りは全員、親族会議の食堂よ。もちろん、この時点ではまだ殺人は起こっていない。源次も健在よ。

午前1時から午前3時まで、ヱリカ、南條、郷田の3人は、ゲストハウス1階のラウンジで過ごした。








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