ならば、ラウンジで過ごした時間帯の前後はアリバイがないはず! 南條にも犯行は可能であるぞ!



24時以降、ヱリカは午前3時までずっと、南條と一緒にいたわ。


あなたの封印も赤き真実も完璧よ。南條は、午前3時までヱリカと一緒にいたというアリバイがある。そして午前3時から朝まで自室を出ていない。

右代宮戦人は、午前3時にいとこ部屋に戻りそのまま就寝した。そして事件発覚まで部屋では一切、不審なことはなかった!


つまり、戦人には殺人も死体を傷つけることも不可能だったということ。

例えば、ゲストハウスの外壁にハシゴを立てかけ、2階の窓より侵入したとか! ラウンジを通らすに2階へ至る方法は存在するはず! これならば、そなたの目に触れずに犯行現場へ至ることは可能だ・・・!


ゲストハウス2階へは、ラウンジにいた人物に知られずに至ることは不可能。・・・・・もちろんこれは、内部から2階へ至る話だけれど。

ゲストハウス2階へは、ラウンジを通過しない限り至ることは出来ず、ラウンジにいたヱリカに知られずに至ることは不可能!


以上により、犯行時刻は、生存確認をした24時から、ラウンジで団欒が始まった午前1時までの1時間の間に限定される!



24時の時点で、屋敷の2階廊下には、夏妃と蔵臼、源次がいた。残りは全員、1階の食堂。


食堂の全員は、午前1時まで、誰一人食堂を退出していない・・・!


赤き真実はただ真実であり、証拠も証明も、議論の余地も必要もない!!



源次は電話の取次ぎを終えた後、そのまま、まっすぐ控え室に戻っている。


絵羽は午前1時に源次の控え室に封印をし、それは、朝の事件発覚時に、嘉音と熊沢に破られた。

午前1時の小休止で最初に食堂を出たのは、楼座と絵羽よ。絵羽が戻るまで、食堂の人間は全員その場に留まっていた。絵羽は、楼座を見送った後、控え室へ行き、封印を行なった。無論、その際に室内には一切立ち入っていないわ。

源次が24時以降、屋敷を出たことはない


右代宮夏妃は犯人ではない!



右代宮蔵臼は犯人ではない。そしてとっくに殺されてるわ。あんたに電話で声を聞かせた直後にね?



夏妃。金蔵があんたの心に、片翼の鷲を刻むことを、いつ許したっての? あんたの妄想の中の金蔵の言葉でしょうが、それは。・・・・・・本当の金蔵はね。生涯、ただの一度も! あんたを心の底から信頼したこともないし、あんたに紋章を許そうと思ったことも、ただの一度もないわ!



本当の金蔵はそんなことを言わないわ。消えなさい。夏妃によって美化された、夏妃にとって都合のいい、夏妃の中の妄想の金蔵。


哀れな女。右代宮金蔵の信頼を、生涯、得られなかった真実を、今こそ正視しなさい。

ヱリカお得意の封印の信頼性は疑えないのかッ?! 紙を挟むなんていい加減な方法で、絶対のアリバイにはなり得ないはず! 偶然、気付いた人間が、元の位置に挟み直すことだってあったかもしれない・・・!!


以上により、封印の完全性は保証されマシタ。ミス・ヱリカの封印は、何者にも破れず、誤魔化すことは出来ないのデス!!


ヱリカの封印は認めよう・・・! だが、絵羽伯母さんがした源次さんの部屋の封印は違うはずだ!!



絵羽の封印も、ミス・ヱリカの封印と同一のものデス。この封印方法は、ミス・ヱリカと絵羽が晩餐後に共同で考案したものだからデス。






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